――あなたと共に歩んだこの道は、私の誇りです。
もしも惑星オペラの主人公と紅炎が煌帝国編に突入していたら。⇒注意
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 どこかで、誰かのよしなよ、もう手遅れだという言葉が聞こえた。もう止められはしないのだと、ようやく気付いた私は震える。大切な人が傷付くかもしれない未来に、誰かが死ぬかもしれない恐怖に。
 どうして、手を取り合う未来を描けないのだろう。「なぜ?」が止まらないけれど、私は彼の隣に立ち続けることを決めたから、揺らいでは駄目。ああ、だけど、思い出すのは、散る赤の鮮やか。どうして今、あの時中庭で見た、薔薇の散り様を思い出すのでしょう。
 できれば、彼らが殺し合う以外の道を見つけてくれればいいけれど、それは綺麗ごとでしかなくて、ただの我が侭で。だから、どうか、この耳に彼の脈打つ赤がきこえるように祈らないと。あなたが纏う赤のために。私の夫であり、世界であり、誇りであるあなたを失わないために、私はあなたの隣に立つ。

――神様、どうか私の愛しい人にご加護を。

完結 16/04/17
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